コルセットって効果があるの?正しい使い方を紹介!
長時間のデスクワークやオーバーワークの後、腰の痛みで思わずコルセットに頼った経験はありませんか?
実は、コルセットは正しく使わないと逆効果になることもあるんです。知らずに使い続けていると、かえって腰痛を悪化させてしまう危険性も…。
この記事では、コルセットの本当の効果と、プロが教える正しい使い方を解説します。
これを読めば、もう迷わずコルセットを使いこなせるようになります!
コルセットの種類と特徴
コルセットにはソフトタイプとハードタイプがあり、それぞれ以下のような特徴があります。
ハードタイプ(硬性コルセット)
プラスチックや金属のフレームを使用しています。固定力が高く、脊椎の動きを制限することができます。主に、脊柱圧迫骨折や脊髄障害後、脊柱の固定が必要な場面で使用します。
ソフトタイプ(軟性コルセット)
ナイロンやポリエステルの素材を使用しています。適度なサポートと動きやすさを両立することができます。主に、日常生活での脊柱や背筋の負担を軽減させるために使用します。
セミハードタイプ
ハードタイプとソフトタイプの中間で、プラスチックや金属の補強が部分的に使われています。そのため、適度な固定性と柔軟性を兼ね備えています。主に、腰の手術後に使用することが多いです。
この他にも、側弯症に適した脊柱全体を支える胸腰仙椎コルセットというものもあります。
コルセットの効果と限界
コルセットは、腰痛予防や緩和に効果的なサポートアイテムとして、多くの方に利用されています。特に、ソフトタイプやセミハードタイプのコルセットは、日常生活での使用に適しており、以下のような効果が期待できます。
腰部のサポート
腰椎を適度に支えることで、日常的な動作時の負担や椎間関節へのストレスを軽減します。
痛みの軽減
腹部が圧迫されることで「腹圧」が高まり、脊柱が安定します。すると、背筋や脊椎の負担が軽減し、疼痛軽減に繋がる可能性があります。痛みが感じにくくなることで、動作が楽になることがあります。
姿勢の改善
前かがみや不良姿勢を防ぎ、自然と正しい姿勢を保ちやすくなります。
これらの効果により、ソフトタイプやセミハードタイプのコルセットは、日常生活での姿勢管理や痛みの軽減に役立つアイテムとして、多くの方に支持されています。
コルセットの効果を裏付けるエビデンス
腰痛の軽減効果
2009年の亜急性期腰痛患者197人を対象とした研究によると、コルセットの着用は、着用から90日間の間で大幅な痛みの軽減や痛み止め使用量の減少に繋がったことが報告されています1)。
腰痛予防への効果
2000年の腰痛予防に対するコルセットの効果の調査2)によると、腰痛予防において、コルセットは他の治療や装着しない場合と比べ、効果的とは言えない可能性があると報告されています。また、再発予防に関しても効果的と示された証拠はみつかっていないと報告されています。
2)腰痛の予防と治療のためのランバーサポート – van Tulder, MW – 2000 |コクラン・ライブラリ
体幹筋や脊椎への影響
2017年の調査3)では、コルセットが体幹筋に与える影響は、各研究で一貫していませんでした。多くの研究では筋活動に変化がないが、一部で増加したという報告があります。また、腹筋や背筋の筋活動が減少すると示唆する報告もあります。脊柱圧迫の軽減効果について、8件中4件の研究で効果が確認されましたが、3件では変化がありませんでした。このように研究により結果が異なり、明確な結論は出ていません。
コルセットの着用は、筋力強化の効果はなく、長期間使用すると筋委縮を引き起こす可能性があるという声もきかれますが、その影響は不明です。
3)腰仙椎装具は体幹筋の衰弱を引き起こす可能性がありますか?文献の系統的レビュー – The Spine Journal
連続使用への影響
2017年にコルセットの長期間使用の影響が調査されました4)。これは、腹筋と背筋、およびこれらの筋持久力と疲労度に着目し、対象の8件の研究を分析しました。結果、1~6か月間連続使用しても悪影響はなかったと示されています。しかし、エビデンスが低いものも含まれるため、さらなる調査が必要であるとされています。また、健常者がコルセットを1日の中で合計3時間、3週間連続で着用した場合、体幹筋の筋機能に有害な変化は生じなかったとされています5)。
4)腰仙部装具の連続使用が体幹運動能力に及ぼす影響:メタアナリシスによる系統的レビュー – The Spine Journal
5)腰仙椎装具の3週間の使用が体幹の筋肉活動と体幹の摂動に対する筋肉の反応に及ぼす影響 – PMC
最近の研究
2021年に、総合病院の腰痛のある医療従事者121人に対し、ウェアラブルタイプのコルセットを3か月間使用し、腰痛の軽減に繋がったと報告されています6)。ウェアラブルタイプのコルセットとは、姿勢の悪いときは背中の皮膚が刺激されるものです。これらの刺激は、脊柱起立筋に影響を与え、より良い姿勢に矯正することが期待されています。
6)病院従事者の腰痛に対するウェアラブル型腰仙椎サポートの効果:ランダム化比較試験 – PMC
このようにコルセットは、科学的には一般的には急な痛みが生じた後の3か月以内の短期的な痛みの軽減や動作補助には有効ですが、体幹筋への影響や腰痛予防、長期的な使用に関しての効果は不明であることがわかります。また、悪い姿勢をとらないように自ら気をつけることが重要であると読み取れます。
正しい使い方と注意点
どのようなときに装着したらよいのか
急な腰痛が起きた時や、痛みがあるが一時的に活動をしなければならないときの使用をお勧めします。
特に、ぎっくり腰など、急に背中に強い痛みが生じた直後です。
使用の注意点
1日の中での使用は数時間とし、寝ているときは外すことが望ましいでしょう。また、使用期間は1か月程度に留めることがよいと思います。
そして、痛みが治まってきたら、徐々にコルセットを外し、元の活動を再開していくことをお勧めします。
こんな使い方はNG!
上下を逆に装着すること!
コルセットは、人間の骨盤や腰部に合わせて設計されているため、上下が決まっています。逆さまに装着してしまうと、適切な効果を得られず装着時に違和感を感じてしまいます。説明書や、コルセットの内側のラベルに上下が記載されていることが多いため、確認してから装着をしましょう。
ベルトを骨盤の上に巻いてしまう!
腰部の安定化は、骨盤を固定することで成り立ちます。骨盤を固定しないと、脊柱の固定効果がなくなってしまいます。そのため、まず最初に骨盤を固定することが重要なのです。ベルトは下から締め、骨盤を固定した後に、上のベルトを締めるようにしましょう。
腹部を強く締めすぎてしまう!
腹部を強く締めすぎると、胃や腸などの臓器が圧迫されてしまうため危険です。ベルトの占め具合は、適度に引き締まる程度を心がけましょう。
コルセットを賢く使いこなすために
腰部コルセットは、急な腰痛に対する痛みの軽減や動作補助には有効ですが、腰痛予防や長期間の使用の影響は不明です。
現状ではコルセットはあくまで補助的に用い、併せて自ら良い姿勢を保つことを意識する習慣を作ることが大切ではないでしょうか。
良い姿勢を保つための具体的なストレッチやエクササイズは別の記事で紹介していきたいと思います。