腰痛の原因!ぎっくり腰の真実について

「痛い!!」「立ち上がれない…。」
突然腰に痛みが走り、動けなくなった、という経験はありませんか。
これを世間では「ぎっくり腰」と呼んでいます。
これが起こると、仕事は中断、生活さえも一時的に苦しくなってしまいます。
本日は、そんな「ぎっくり腰の真実」について解説していきます。
これを読めば、ぎっくり腰について理解ができ、「起きた時の正しい対応」がよくわかります。
ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰とは、「魔女に一撃」ともいわれ、何も前触れもなく突然起こります。
医療業界では「急性腰痛」といいます。
これは、あるきっかけで腰を支える靭帯や筋肉に急な負担がかかり、損傷や断裂を起こしたり、神経を刺激したりするものです。わかりやすく表現すると、腰の強い捻挫を起こしたことと同じような状態と言えるでしょう。
ぎっくり腰はどのように起こるのか!
腰へに急激な負荷がかかったときや、腰部の筋肉に持続的な負担がかかったときに起こります。
腰回りの筋肉は過度に緊張し肉離れのような状態となったり、腰椎の一部に負荷が集中して靭帯や椎間板が損傷することもあります。また、ひどい場合は、関節包や椎間板が傷つき、神経を圧迫したり、椎間板ヘルニアを起こしている場合もあるといいます。
椎間板ヘルニアや圧迫骨折などの病気による痛みをただのぎっくり腰だと勘違いすると、大変なことになります。
ぎっくり腰が起きやすい動き
重いものを持ち上げたとき、咳やくしゃみをしたとき、ベッドや布団から体を起こそうとしたときなど、一時的に腰に急激な力を入りやすい動作で起きやすいです。
高齢者では、顔を洗おうとしたとき、椅子に腰かけて横のものをとろうとしたとき、ゴルフや野球の素振りを軽くしたとき、少しお辞儀をしたとき、ただ立ち上がろうとしたときなど、日常的な動きでも起こることもあります。
ぎっくり腰が起きた時はどうすればよい?
まずは横になって安静にすること。
外出先などで突然生じてしまった場合は、できるだけ横になれる環境に移動することを推奨します。移動しなければならない場合は、タクシーを呼び後部座席で横になり移動することも一つの方法です。
病院へ行き薬をもらう。
急性腰痛に対して薬物療法による早期鎮痛が推奨されています。腰痛診療ガイドライン2019では、急性腰痛に対して非ステロイド性抗炎症薬が推奨度A~Dのうち「A」と示されています。
どうしても動かないといけない場合は、コルセットを着用する。
コルセットは腰の動きを制限してくれるため、一時的なサポートとして活躍する可能性や、疼痛軽減に役立つ可能性があります。
痛みが治まってきたら、徐々に活動を再開する。
再発予防の観点や、腰痛を慢性化させないためには、痛みに応じた活動性維持が推奨されています。長期間の安静はよくありません。痛みが緩和次第、活動していくことが重要です。
腰痛診療ガイドライン2019年においては、「急性腰痛に対しては、安静よりも活動性維持の方が有用である。」と示されています。
やってはいけないこと
整体やマッサージなどでもみほぐしを受けてしまう!
基本的には、ケガをした部分というのは、安静にすることが大切です。
出血をしている部分をたくさん動かしてしまっては悪化することは容易に想像がつくと思います。それと同じで、腰も筋肉などが損傷している部分をたくさん動かしてしまうと、悪化してしまいます。回復が必要であり、もみほぐすことは完全に逆効果です。
逆に動かしたほうがよいと勘違いして運動をしてしまう。
物理療法や運動療法は、慢性腰痛には有効と示されていますが、急性腰痛にはエビデンスが乏しく推奨されていません。病院に行き鎮痛剤をもらい、不必要な運動はしないことを推奨します。
腰痛診療ガイドライン2019では、「急性腰痛に対する運動療法は、無治療群や他の保存的治療群と比較して疼痛改善効果が同様であり、健康状態、患者満足度についても効果を認めなかった。」とされています。また、「急性期における腰痛体操の効果はなく、通常通りの生活を継続することが唯一の有益な介入であった。」と示されています。
普段通りの生活以上のことはやめましょう。
無理して活動してしまう。
仕事などがあると、思わず無理して動いてしまいます。痛みが強いときは休むことも大切です。
痛みが治まったら徐々に動いていくことは大切ですが、発症したての数日は十分に注意して無理のない生活をしましょう。
まとめ

ぎっくり腰は突然発症する強い腰の痛みで、多くの場合は筋肉や靭帯の急激な負担によって引き起こされます。正しい対処法を知っておくことで回復を早めることができます。
まず、ぎっくり腰が起きた場合には、すぐに安静にし、痛みが強い間は無理に動かないことが大切です。痛みが治まった後は、無理のない範囲で動くよう心掛け、普段通りの生活を継続することが改善のカギとなります。
無理に必要以上の運動をしたり、マッサージなどで「もみほぐし」を受けてしまうことは逆効果です。痛みが長引く場合や繰り返し発症する場合は、医療機関に相談しましょう。
参考文献
・日本整形外科学会,日本腰痛学会:腰痛診療ガイドライン2019改訂第2版.2019.
腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版 – c00498.pdf
・森本忠嗣:特集:保存療法で治せる腰痛症の見極めと治療 急性腰痛 総論.MB Orthop.2017;30:1-6.