ストレスの解消法!ストレスの根本が明らかに⁉
ストレスという言葉は日常的に使われています。
「イライラしてどうしようもない」
「落ち込むな」
「眠れない」
ストレスが溜まるとこのように感じるときがあるでしょう。
しかし、ストレスとは一体何なのでしょうか?
本日はそんな日常で感じるストレスについて、理論から深堀をしていこうと思います。
この記事を読むと、ストレスとは何なのか、ストレスが生じるメカニズムやその対処法がわかります。
ストレスとは何か
私たちは日常的にストレスという言葉を使用していますが、ストレスとは具体的に何を表すのでしょうか。
まずは、ストレスという用語の定義や起源をみていきましょう。
ストレスの定義
ストレスとは、主に「外部からの刺激に対する生体内(脳など)の反応」といわれています。
身体は外部から刺激を受けると変化を感じとり、生体内でざまざまな反応が起こります。
この反応を「ストレス反応」といいます。
具体的にはイライラしたり、恐怖を感じたり、寂しくなったりなどのことです。
主に心理的な反応がメインとなります。
ストレス反応には、「心地よい」と感じるものと「不快だな」と感じるものがあります。
一般的に、私たちはこのストレス反応の中で「不快だな」と感じるものを「ストレス」と呼んでいます。
ストレス反応の実際の例は?
実例でみていきましょう。例えば、散歩中に前からタバコを吸っている人が歩いてきました。
すれ違いざまにタバコの煙を吸ってしまいました。もし非喫煙者であれば、怒りや嫌悪感が沸き起こるでしょう。ここでは、タバコの煙という刺激を不快と認識し「怒り」というストレス反応が出現したということになります。
上記のストレス反応は、タバコの煙が引き金となって生じています。このタバコの煙のような、外部からの刺激のことを「ストレッサー」と呼びます。
どのようなストレッサーが存在するの?
ストレス反応を引き起こすきっかけとなる外部からの刺激のことを「ストレッサー」と呼びます。
このストレッサーは複数存在し、私たちは日常生活の中でとても多く遭遇しています。いくつかの種類に分類できるため、以下に記載してみました。
〈ストレッサーの種類〉
- 物理的ストレッサー:温度、音、光など
- 化学的ストレッサー:化学物質、公害、金属、アルコール、タバコ、食品添加物など
- 生物的ストレッサー:免疫反応を起こす刺激、花粉、ウイルス、細菌、疾病など
- 心理・社会的ストレッサー:怒り、不安、悲しみなど
このように、日常生活のさまざまな刺激が私たちのストレスに関係していることがわかります。
現代のストレス
現代はストレス社会と呼ばれています。私たちはさまざまなストレスを抱えて生活しています。
その多くは、仕事や家庭などの社会生活において生じており、人間関係や社会的立場などが影響します。
従って、現代人のストレスは特に心理・社会的ストレッサーによるものが多いのです。
ストレス反応の根拠は?
ストレッサーによる生体内の反応については、1936年にハンス・セリエという学者が英国科学誌「ネイチャー」に発表した「ストレス学説」によるものが根拠となっております。こちらでは、ストレッサーによる生体反応が明らかにされています。
ストレスが生じるメカニズム
ストレッサーによる刺激を受けた後、私たちの生体はどのような状態に陥るのでしょうか。
ストレスが生じるメカニズムについて、もう少し詳しくみていきましょう。
メカニズムの詳細
外部から刺激が加わると、まず脳が刺激を認知します。脳は数多くの領域に分類され、1つ1つに役割があります。身体の動きを司る領域、触れた時の感覚を司る領域、視覚や聴覚に関する領域など実に多彩です。
脳の中で、ストレス反応には「扁桃体」と呼ばれる部分が大きく関与しています。ここは私たちの感情や情動をコントロールする領域です。扁桃体は、視覚や聴覚など五感による刺激と自身の記憶情報を頼りに、瞬発的に刺激を「快」か「不快」か判断します。
快か不快かの「感情」が生じると、それに応じて「怒ったり」「苛立ったり」などの「ストレス反応」が生じます。
その後、扁桃体は「快や不快」をさらに脳内の視床下部という部位に送ります。その結果、筋肉系、血管系、内分泌系、自律神経系など(標的器官という)にそれぞれ反応が伝達していきます。各標的器官はそれぞれ反応を起こし、さまざまな身体症状が出現するのです。
以上がストレッサーによる刺激を受けた後の大まかな生体内反応のメカニズムです。
同じ刺激でも、人により反応は異なるの?
ここで面白いのが、刺激の認知の仕方や生じる感情は個人で全く異なります。
なぜかというと、人は持っている知識や経験、価値観、生まれ育った環境や文化はそれぞれ異なり、同じ刺激でもどのように解釈するのかは人それぞれだからです。
用語の整理
色々な用語が出てきたため、ここで整理しておきましょう。
[用語の整理]
- ストレッサーとは:ストレスを引き起こす外部からの刺激。
- ストレス反応とは:ストレッサーに対する生体内の反応。
- ストレスとは:ストレス反応の中で不快に感じるもの(一般的な用語)。
- ストレス障害とは:ストレスが長期間続き、生体恒常性が乱された状態。
ストレス反応について
ストレス反応とはストレッサーに対する生体内反応です。「怒り」などはわかりやすいですが、他にはどのようなストレス反応があるのでしょうか。
恐怖、悲哀
これらは突発的に生じ、比較的短期間で終息します。交通事故などの強い刺激で生じやすいです。また、大半の人に普通に想起される感情でもあります。
不安
日々の人間関係や環境による刺激で生じます。慢性的で持続的なのが特徴です。
イライラする、マンネリ化
騒音や生活音など、単調、単一な刺激が繰り返されることで生じます。
不快
多忙な仕事、知人とのトラブル、育児の煩わしさ、不快な報道など生活場面で嫌な思いをすることから生じます。本人の意思に関係なく勝手に入ってくる受動的な刺激です。
興奮状態
突然の危機や脅威、スポーツや競技の試合中など普段ないような非日常的な状況により引き起こされます。このような状況に直面した際は、脳内ではアドレナリンというホルモンを分泌しています。
以上5つをあげてきました。
ストレス反応は、基本的に自身にとってマイナスとなる刺激により引き起こされることが多いようです。
ストレス反応は悪いものばかりなのか!?
ストレス反応は私達に悪い影響ばかり及ぼすのでしょうか?
刺激には自身にとってプラスとなるものが存在します。そのような刺激は私たちに良い影響を及ぼします。では、プラスな刺激とはどのようなものでしょうか。
プラスな刺激①
1つ目は、「欲動に関する5つの欲求を獲得するための行動」から得られる刺激です。
[欲動に関する5つの欲求]
食欲、性欲、睡眠欲、行動欲、生命欲
プラスな刺激②
2つ目は、「感情獲得欲求に基づく行動」から得られる刺激です。
[感情獲得欲求]
美しい、美味しい、面白い、心地よい、達成感、満足感、充実感、幸福感など
これら2つの欲求は、生きていく上で必要な本能的なものです。
これらに基づく行動によって得られる刺激は私たちにとって決してマイナスになることはなく、プラスになります。これらの刺激からは、「心地よい」という感情を得ることができるでしょう。
ストレスへの対処法
不快なストレッサーを排除することが出来れば、日々快適に暮らせることでしょう。しかし、それが困難な場合が多いため私達は悩まされています。
快適に生きていくためには、ストレス反応に対処し、ストレス障害に陥ることを予防する必要があります。
では、どのような方法があるのでしょうか。全体的な考え方は以下の通りとなります。
[ストレス対処法の考え方]
ストレッサーを排除するのではなく、いかにしてストレスと共存していくかということを考えていきます。
- 不快なストレッサーに対していかに脳を過剰に反応させないか
- いったん過剰に反応した脳をいかに鎮静化させるか
このようなことを意識していきます
以下に不快なストレスを受けたときの具体的な対処法を述べていきます。
まずは動く!
実は、休むことは効果的なストレス対処法ではありません。
ストレスが溜まると休みたくなり、何をするのも億劫になります。しかし、休日にダラダラしたり、二度寝や昼寝をしてしまうとテンションが全体的に下がってしまいます。その結果、休日が終わっても仕事モードに入れず、重だるい気持ちになるでしょう。(※仕事のストレスで潰れてしまう人は、実は休日に横になって休んでいる人が多いのです。)
従って、身体の疲労回復は必要ですが脳や体を全く使用せずに休ませることは効果的ではありません。
プラスな刺激を入れる。
マイナスな刺激とバランスをとることが必要です。そのために、自分からプラスの刺激を入れに行きましょう!
自分が楽しいことや心地よいと感じることがおすすめです。まずは自分の5つの欲動(上記参考)をみたしてあげることから始めましょう。
周辺の脳を活動させる。
脳内では普段仕事などで使用する部分があります。休日などではそれら以外のところを積極的に使用することを意識しましょう。
具体的には「自然の中を歩く」、「小説を読む」、「他者とコミュニケーションをする」などがあげられます。これらは決してハードなことではないため、身体的疲労を回復させながらでも行うことができます。
逃げない。
「マイナスな刺激でもウェルカム」という気持ちを持つことが大切です。
不味いものがあるから美味しいものがある。仕事が苦しいから休日の遊びが楽しい。マイナスがあるからプラスが生きる。このようにポジティブに考えることで過剰反応を抑えることができます。
まとめ
私たちは日々多くの刺激を受けて生活しています。生活しているだけで、様々な刺激が入ってきます。
不快な刺激は自分の意志とは関係なく勝手に入ってくることが多いです。不快な刺激を受け続け管理を怠っていればストレス障害に陥ってしまいます。
従って、私達は自分でストレスを管理をしなければなりません。ストレス反応の良い部分は活かし、マイナスな刺激とバランスを取りながら上手に付き合っていくことが大切です。