【腰スッキリ簡単ケア➀】なぜ動かすだけで腰が楽になるの?リハ視点で解説
「腰が痛いときは安静が一番」と思われがちですが、実は軽い運動で動かしたほうが早く回復するケースが多いです。
日中、点滴挿入や体位変換、ベッド上でのケアなど、前屈みや中腰の姿勢が続く看護師さんにとって、腰の負担は想像以上です。
腰の重だるさや疲労感を感じながら仕事を続けることも少なくありません。
そんな忙しい毎日の中でも、少し腰を動かすだけで血流が促進され、こわばった筋肉がほぐれる感覚を体感できます。
この記事を読んで、今日から数分でできる腰の動かし方を知り、腰の重だるさを軽減しましょう!
今回は、理学療法士の視点で「なぜ動かすことが腰によいのか」をわかりやすく解説します。
なぜ「動かすこと」が腰によいのか
腰を動かすことの主な効果として、以下の2つがあります。
背中の筋肉の血流改善
腰痛の原因の一つに「長時間同じ姿勢」による血流低下・筋肉の疲労があります。
長時間同じ姿勢でいると、背中の筋肉に血液が届きにくくなり、「酸素不足」や「老廃物の滞り」が起こります。その結果、腰の筋肉が疲労しやすくなってしまいます。
軽く腰を動かすだけで筋肉の血流が促進され、筋肉の疲労が和らぎます。ほんの数回の運動でスッと軽くなる感覚を体感できる方も多いです。
脳の防御反応を抑える(恐怖回避行動の軽減)
腰が痛いと、『動かすと痛くなるのでは…』と脳が防御反応を起こします。これを恐怖回避行動と言います。腰痛は、体だけでなく『脳の反応』も関係していると言われています。「痛くなるかも…。」と思うと、自然と体が硬くなり、余計に痛みを感じやすくなるんです。
少しずつ安全に動かすことで、『痛くならない』という経験が脳に蓄積され、筋肉の緊張も和らぎます。結果として、腰の動きやすさが改善されていきます。
看護師さんの場合
看護師さんの業務は、患者さんのバイタル測定、点滴挿入、採血、体位変換、ベッド上でのおむつ交換や清拭といったケアなど、前屈みで行うことが非常に多いです。前屈みの姿勢が持続していると、背筋の血流が低下し、筋疲労が起きてしまいます。
どう動かせばよいの?
腰の血流を改善するには、腰を軽く伸展方向(反らす方向)に動かすのがポイントです。
立ったままでも座ったままでも構いません。
重要なのは「少しずつ、気持ちよい範囲」で動かすこと。
無理に大きく反らす必要はありません。
毎日の隙間時間に、ほんの1〜2分でも取り入れることで、腰がラクになっていく感覚が得られます。
ポイント👉:腰痛予防には、「少しずつ動かすこと」が大切。
腰を動かすときにおすすめの運動
では、実際に腰をやさしく動かすにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは、職場や自宅でも簡単にできる「体幹伸展ストレッチ」を紹介します。
<体幹伸展ストレッチ>
- 方法:立位での体幹伸展(写真付き)
- ➀足を肩幅に開く ②手を腰に当てて、軽く後ろに反らせる ③5~10秒キープし、ゆっくり戻す
- 回数:3〜5回×1セット
- 注意:「強い痛み」が出たら中止
- コツ:腰に手を置き、最初はゆっくり、呼吸に合わせて腰を反らすと、背中がじんわりほぐれるのを感じられます。手で腰を支えながら少しずつ後ろに倒すと安全。気持ちよい程度で終了することがポイントです。
まずは「やってみること」が腰を守る第一歩
腰痛は「安静」や「強いストレッチ」よりも、「軽い運動」で予防できることが多いです。
今日の空き時間に、1セットだけでもやってみましょう。
仕事の合間にリセットできたら、次はおうちでゆるめてリカバリー。
👉「腰の疲れリセット!おうちでできる肘立てリラックス」で、1日の終わりに腰をいたわりましょう。
